桶川事件現場で最長有期刑の短さに疑問を持つ
桶川ストーカー殺人事件
1999年10月26日 埼玉県のJR桶川駅前にて猪野詩織さんは刃物で刺されて死亡しました。詩織さんは21歳でした。
犯人は小松和人およびその手下である久保田祥史 ほか3名。実質的な主犯は小松和人 刃物をもって殺害を実行したのは久保田です。
詩織さんが小松と知り合ったのは1999年1月。しかし、三ヶ月後には恐怖以外の感情は彼に対して起こらなくなりました。
それも当然。小松は巧妙に健全さを装っていましたが、中身は真に狂人でした。
小松の異常さは
- プレゼントの受け取りを拒否すると、狂ったように怒りだす。
- 付き合いの拒否を告げると「家族をめちゃくちゃにしてやる！」と恫喝して交際を強要する。
- 30分おきに電話をかけてきて行動を監視する。
- それでもなお拒否すると、久保田ら一味と共に自宅に押し入ってきて色々と恫喝する。
- 自宅周辺、詩織さんの通う大学、父親の会社に、事実無根の誹謗中傷が書かれたビラや手紙がばら撒く。
- 『援助交際OK』といった内容で詩織さんの写真と電話番号が載せられたカードを都内でばら撒く。また、同様の内容をインターネット掲示板に多数書き込む。
- 深夜の2時に、詩織さんの自宅前に複数台の車で横付けし騒音をまき散らす。
といった感じです（他にもまだまだある）。これらが8ヶ月続いた後に遂に詩織さんは殺されてしまいました。
もちろん、詩織さんは警察に助けてほしいと何度も懇願していました。しかし警察は動きません。
詩織さんの住む所轄の上尾署の怠慢ぶりは目を見張るものがあり、挙句の果てには本件に関して不正も行われていました。更にその不正を隠蔽し偽証を繰り返しました。そして詩織さんは小松に殺害されます。
雑誌記者の清水潔さんは、いち早く実行犯である久保田らの居場所を突き止め警察に情報提供していましたが、埼玉県警は一向に彼らを逮捕できません。動員された警察官は100名を超えているというのに。
この無能ぶりに国民は呆れました。怒りを通り越して呆れました。小松和人の狂人ぶりも凄まじかったですが、上尾署および埼玉県警の無能っぷりの方のインパクトが甚大となるおかしな事態となりました。
桶川事件現場へ赴く
2017年8月12日 桶川市を訪問。
桶川市および上尾市はまさにベッドタウンといった様相で、閑静な住宅が立ち並んでいました。
桶川駅西口の桶川Mineは多くの人で賑わっていました。
詩織さんはこの茶色のブロックの歩道の上で息を引き取りました。
亡くなられた場所には今日も花が添えられていました。
心よりお悔やみ申し上げます。
現行法の量刑について
実行犯である久保田祥史が刑期を終えてそろそろ出所してきます（小松和人は逮捕前に既に死亡（自殺））。
か弱い女性相手によってたかって嫌がらせを繰り返し、最終的に殺害した男がこんな微罪です。
法治国家としてどうなんでしょうコレ。
ご遺族の怒りたるや想像を絶します。
・死刑
・無期懲役
ときて、次は
・懲役20年
無期の次点が有期20年って、なんか変ですよね。
これは、刑法ができた1907年の日本国民の平均寿命が根拠になっています。
当時の平均寿命は43歳。20代で監獄入りとなったら、20年も経てば大半は獄中で死を迎えていました。
とはいえ、現在の日本人平均寿命は、女性87歳、男性81歳。久保田はまだ30年以上はのうのうと生き続けるわけです。
片や詩織さんはたった21年で人生を終えました。
2005年に刑法が改正され、有期懲役の上限は30年に増加されましたが、まだまだ足りないですよね。
70年が妥当じゃないでしょうか。
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[1] 清水潔（2000）『遺言-桶川ストーカー殺人事件の深層』新潮社.
