化石の宝庫 南三陸町で世界最古の魚竜に会う
ウタツサウルス
ウタツサウルス(和名『歌津魚竜』)は世界最古の魚竜です。
1970年12月 宮城県南三陸町歌津の舘崎で奇妙な化石が発見されました。後にウタツサウルスと命名される魚竜の化石です。
ウタツサウルスの体長は最大で約3m。前期三畳紀に生息していました。
前期三畳紀って言われても・・ ティラノサウルスらが闊歩していた白亜紀末期の2億年くらい前の世界です。
とんでもない昔の、更にとんでもない昔 ですね。
化石の宝庫 南三陸町
日本にはこれ以外にも2種類の魚竜が発見されています。そのいずれもが南三陸町で発見されました。そう、南三陸町とは日本における古代化石の発掘メッカのひとつなんですね。
ナウマンゾウを発見したナウマン博士も訪れたほどの非常にエキサイティングな化石スポットです。
現地レポート
さて、現地レポートです。
化石発掘現場の現在の状況
ウタツサウルスが発見された舘崎周辺はこんな雰囲気です。
伊里前浜湾に沿って北東に進みます。
静かな港の一角にウタツサウルス発見現場の石碑が建っています。この先約400mの海岸沿いで発見されたようです。あまりにも鬱蒼としていたのでここまでで断念しました。
化石の展示場
魚竜の化石
採取されたウタツサウルスの化石は、図書館魚竜で観ることができます。図書館魚竜は歌津役場の隣にあります。
ウタツサウルスの化石です。 1970年に発見した人は、きっと腰を抜かしたよね。
嚢頭類の化石
魚竜図書館には、もうひとつ貴重な化石が展示してありました。
嚢頭類(のうとるい)という節足動物の化石です。
嚢頭類は、カニのようなミジンコのような感じの動物ですが、詳しいことはまだ分かっていない生物です(現在絶滅しています)。
この嚢頭類、全国ではじめて見つかった大変珍しい化石です。前期三畳紀の嚢頭類としては、全世界で2例目です(ちなみに1例目の発見はマダガスカルです)。
化石ファンもそうでない方もきっと楽しめる南三陸町歌津。オススメです。